生い立ち |
チュードルの誕生は1930年代。この時期のロレックスはオイスターケースやパーぺチュアルを発表し、着々とブランドの基礎を固めていた。しかし、ロレックスの時計は高価だったこともあり、一般庶民にはなかなか普及しなかった。ロレックスが、現在ほどのネームバリューを手に入れるようになったのは、1970年代近くになってからのことである。 そこでロレックス社は、本社のあったイギリスでの市場拡大を目指し、もっと安価なディフュージョンブランドを誕生させた。それがチュードルである。 ブランド名は、イギリス人なら誰でも知っている名門「チューダー家」にちなんだもの。「チューダー家」は、歴代5人ものイングランド王を輩出した、名門中の名門である(かのエリザベス一世もこの家の出である)。つまりチュードルは、庶民に親しまれるブランドとして誕生したのだ。その後のチュードルは、ロレックスの後を追う形で展開する。 当初はオイスター以前のケースを使用したモデルもあったが、オイスターケース、自動巻きモデルの「プリンス」が誕生。さらに50年代から、ロレックスがスポーツウォッチの開発に力を入れると、徐々にチュードルもスポーツ系モデルを提供するようになった。 |
性能 |
ロレックスのディフュージョンブランドとして誕生したチュードルの最大の特徴は、ロレックスと共通のパーツが使用されたことである。とくにアンティークモデルでは、ケースをはじめ王冠マークが入ったリューズやブレス、そして細部のパーツに至るまで、機械以外のほとんどの部分にロレックス製のものが使われていたといってもいいくらいだ。さらに裏ブタ部分にはロレックスのディフュージョン・ブランドであることを示す、ROLEXの刻印がされている(ロレックス製品にはない)。 ロレックスとの違いといえばムーブメントにETA社製のエボーシュが採用されたこと。ロレックスと共通のパーツを使いながら、安価なムーブメントを採用することで、低価格を実現したのである。 もともと信頼性の高いムーブメントを作ることで知られるETA社の協力を得て、精度の高いムーブメントを量産することで、コストの低減を図った。これにより、ロレックスのテイストをふんだんに取り入れながら、しかもロレックスよりははるかに低価格で、庶民にも親しまれる時計を提供することに成功したのだ。 |
特徴 |
@オイスターケース 金属塊をくり抜いて作った「牡蠣」のようなケースで、ロレックスの象徴でもあるケース。TUDORでもこのオイスターケースを採用している。以前はロレックスの王冠マークが用いられていたが、現行モデルでは盾マークが入っている。 Aリューズ Bバックル Cロゴマーク Dバリエーション |
多彩なモデル | |||
チュードル・オイスター | チュードル・サブマリーナー | チュードル・クロノタイム | チュードル・レンジャー |