チュードル・サブマリーナー

ロレックスと同じ「サブマリーナー」の名が与えられたダイバーズ・モデル。チュードル・サブの特徴は、メンズ、ボーイズ、ミニ、レディースとサイズの種類が豊富なこと。ケースサイズを大きい順に並べると、メンズ(39.3mm)>ボーイズ(36.4mm)>ミニ(32.5mm)>レディース(27.0mm)となり(カッコ内は直径)、ロレックスにはないサイズバリエーションが楽しめる。文字盤のデザインやカラーにも、ユニークなバリエーションが見られる。

イカ針、四角いインデックスなど、ロレックスにはない微妙なディテールが魅力。とくに、アンティークのロレックス・サブにはない青文字盤が豊富なことも魅力の1つだ。

ロレックス・サブマリーナーの防水性能が、100m(=330ft)→200m(=660ft)→300m(=1000ft)と向上しているのに対し、チュードル・サブマリーナーの防水性能は200m(=660ft)に限られる。これは防水パッキンや風防厚の差といわれているが定かではない。

チュードル・サブマリーナーの登場も、詳細は不明で、60年代と推測される。年代に応じて、モデルも次のように変遷している。


60年代:『小バラ+メルセデス針』            【Ref.7928】


70年代:『盾+メルセデス針/盾+イカ針』 【Ref.7928、Ref.7016/0、Ref.94010など】


80年代:『盾+メルセデス針』                   【Ref.7021/0、Ref.94110など】
(70年代には、デイト表示の盾+イカ針も存在している。)


 

チュードル・
サブマリーナー

チュードル・サブのなかでもっとも人気が高いのが、この「イカ針」モデル。ロレックスにはない遊び心あるデザインだ。

ロレックス・
サブマリーナー

1960年代から登場し、ロングセラーとなったデイトなしのサブ。チュードル・サブマリーナーによく似ているが、時針は「ベンツ針」だ。


 

チュードル・サブマリーナーの系譜

1950年代 Ref.7928
サブマリーナーの初期モデル。通称「バラサブ」と呼ばれる。部品はもちろん、ベンツ針、インデックスなどのデザインにもロレックスとの共通点がかなりある。ただし、すでにリューズガードを備えており、200mの防水性能は、当時ロレックスより優れていた。
ムーブメント:Cal.390
1960年代 Ref.7928
通称「バラサブ」と呼ばれる。デザイン的には、1950年代製のものと大きな変化はない。この時期には、ロレックスリューズガードを備え、200m防水を実現している。
ムーブメント:Cal.722
1970年代 Ref.9411
イカ針を採用。インデックスもよりスクエアになるなど、独自色が出てきている。
1980年代 Ref.94010
裏ブタに「Marina Navale(フランス海軍)」を表す「M.N.」の刻印がある仏海軍制式採用モデル。ここで品質の高さを証明することとなる。イカ針を装備。バックルは2重安全金具付き。
Ref.94010
上記同様、フランス海軍制式採用モデル。裏ブタには「M.N.81」の表記がある。「81」とは採用になった年「1981年」を指す。
1990年代 Ref.73090
ロレックスにはない通称「ミニサブ」。ベンツ針やインデックスはロレックス型のデザインだが、双方向回転ベゼル上に配された15、30、45の目盛りは「ミニサブ」独特のものだ。
Ref.79190
ロレックスのサブマリーナーと酷似したデザイン。オイスターケース、サファイアクリスタルガラス風防、逆回転防止式ベゼルを装備。裏ブタには盾のマークが入っている。(1990年代以降、盾マークが入ることが多くなった。)
ムーブメント:Cal.425
2000年代 Ref.89190
ハイドロノート。2001年に発表されたサブマリーナーの発展型ダイバーズ。3本の針、ベゼルの潜水経過時間表示目盛りやその刻みは独特。ラグやリューズガード形状も大きく変わり、風防ガラスの形状はフラット型となった。文字盤、リューズなどに盾マークが配され、「オイスター」の表記は入っていない。